ゴルフのメジャー選手権といえば、全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権の3つと、もうひとつ、マスターズがあります。
マスターズは、毎年4月にアメリカのジョージア州にあるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催される、ゴルフの祭典とも呼ばれる大会です。
この記事では、マスターズの歴史や特徴、過去の名勝負や名選手、そして日本人選手の活躍について紹介します。
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マスターズの歴史と開催コース
マスターズは、1934年にアマチュアの名選手
で“球聖”として知られるボビー・ジョーンズと、実業家のクリフォード・ロバーツの企画によって創設されました。
当初は「オーガスタ・ナショナル招待選手権」という名称でしたが、1939年から「マスターズ」という名称に変更されました。
ジョーンズとロバーツは、「世界中の一流選手だけが出場し、技を競い合う大会にしたい」という思いから、この名前を付けました。
マスターズの開催コースは、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブです。
このコースは、ジョーンズ自身と設計家アリスター・マッケンジーの手によって、ジョージア州の丘に造られています。
ジョーンズのコース分析と、マッケンジーのユニークなデザインコンセプトが融合し、各選手が頭脳的戦略と技術を競い合える大スケールのゴルフコースが誕生しました。
大小様々な傾斜が重なり合い、ボールが転がりやすくパットの技術力が問われます。
通称アーメンコーナーと呼ばれる11番から13番ホールは、池や川に囲まれた難関ホールで、数々のドラマが生まれた見どころとなるホールです。
また、フェアウェイもアンジュレーションが大きく、ティショットを正確に理想的なセカンドショットのポジションに運ぶ必要があります。
さらに、谷と森が作り出す気まぐれな風も起こります。
こうした環境が、トーナメント名の通り、名手に相応しい技術の持ち手を選ぶことになります。
過去の優勝者と名勝負
マスターズでは、これまでに数多くの名プレーヤーが競い合い、輝かしい栄冠を手にしてきました。
最多優勝回数はジャック・ニクラスの6回です。
次いでタイガー・ウッズの5回、アーノルド・パーマーの4回が人々の記憶に深く刻まれています。
ニクラスは、1960年から90年代に活躍したオハイオ州出身のプロゴルファーで、圧倒的な強さで帝王という名にふさわしい選手でした。
同世代のパーマーとともに、ゴルフをメジャーなスポーツに押し上げた立役者でもありました。
ウッズは、1997年に史上最年少の21歳で初優勝を果たし、その後も世界ランキング1位を長期にわたって独占しました。
2019年には、11年ぶりにマスターズで優勝し、復活劇を演じました。
マスターズには、名勝負と呼べる歴史的な対決も多くあります。
1960年には、パーマーが最終日に3バーディを連続して奪い、ケン・ベンチュリを逆転して優勝しました。
1975年には、ニクラス、パーマー、トム・ワトソンの3人が最終日に首位に並び、ニクラスが16番ホールでイーグルを決めて優勝しました。
1986年には、46歳のニクラスが最終日に7アンダーの65をマークし、トム・キート、グレッグ・ノーマンらをかわして優勝しました。
1996年には、ノーマンが最終日に首位に立ちながら、ニック・ファルドに6打差を逆転されて敗れました。
2017年には、セルヒオ・ガルシアがジャスティン・ローズとのプレーオフを制し、メジャー初優勝を飾りました。
日本人選手の活躍
マスターズに出場し、世界に名を残した選手の中には日本人選手も多くいます。
1970年代には、青木功、中島常幸、尾崎将司がマスターズに初挑戦を果たし、1980年から1990年代にはマスターズの常連になりました。
2000年以前では、中島常幸、尾崎将司の8位が最高となっています。
マスターズで優勝した日本人はまだいませんでしたが、2021年に松山英樹が快挙を達成しました。
松山は、2011年にアマチュアとしてマスターズに出場し、27位に入りました。
その後、プロに転向し、世界ランキング2位まで上り詰めました。
2021年のマスターズでは、初日から好調を維持し、3日目には63をマークして単独首位に立ちました。
最終日は、追い上げるジャスティン・ローズやザンダー・シャウフェレにプレッシャーをかけられましたが、冷静にプレーを続け、1打差で優勝しました。
日本人初のメジャー優勝者となり、ゴルフ界に衝撃を与えました。
まとめ
ゴルフのマスターズは、世界最高峰の技を競う伝統の大会です。
歴史あるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されるこの大会は、ゴルフファンの憧れの舞台です。
過去には、ジャック・ニクラスやタイガー・ウッズなどの名選手が優勝し、名勝負を繰り広げました。
日本人選手も、松山英樹が2021年に快挙を達成するなど、活躍しています。
マスターズは、ゴルフのメジャー選手権の中でも、最も特別な大会と言えます。
その理由は、以下のような点にあります。
マスターズが特別な大会である理由
- 出場資格が厳しい。マスターズに出場できるのは、世界ランキング上位の選手や、メジャー選手権や国際大会の優勝者など、限られた選手だけです。また、過去のマスターズ優勝者は、生涯にわたって出場権を持ちます。
- 優勝者にはグリーンジャケットが贈られる。マスターズの優勝者には、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの会員が着用するグリーンジャケットが贈られます。このジャケットは、ゴルフ界で最も権威のあるトロフィーのひとつとされています。優勝者は、1年間このジャケットを持ち帰ることができますが、その後はクラブに返却しなければなりません。
- コースの美しさと難しさが魅力的。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのコースは、桜やアザレアなどの花が咲き誇る美しい景色が広がります。しかし、その美しさに惑わされてはいけません。コースは、グリーンの傾斜やフェアウェイのアンジュレーション、風の影響など、選手の技術と判断力を試す難関です。特に、11番から13番ホールのアーメンコーナーは、多くの選手がスコアを崩す危険なエリアです。
以上のように、マスターズは、ゴルフの最高峰の大会として、世界中の選手やファンの注目を集めています。
2024年のマスターズは、4月5日から8日まで開催される予定です。
果たして、誰がグリーンジャケットを手にするのでしょうか。今から楽しみですね。
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