漫画「神の雫」は、ワインをテーマにしたストーリーであり、多くの実在するワインが登場します。
ここでは、その中から特に印象的な5つのワインをピックアップしてご紹介します。
神の雫とは
「神の雫」は、オキモト・シュウと亜樹直によって創作された日本の漫画です。
この物語は、ソムリエ見習いの紫野原みやびが、知ったかぶりのお客の間違いを指摘してしまい、その客を怒らせてしまうところから始まります。
しかし、その客の連れである神咲雫の見事なデキャンタージュによって状況は救われます。
この漫画は、ワインに関する知識や、それを取り巻く人々の情熱、競争、そして冒険を描いており、読者にワインの世界への深い洞察を提供します。
また、漫画はワインの魅力を伝えるだけでなく、登場人物たちの成長や人間関係の複雑さも描いています。
神の雫は、ワイン愛好家だけでなく、多くの読者に楽しまれている作品です。
さらに詳しい情報や、漫画の試し読みは、オンラインの電子書籍ストアなどで提供されています。
1. エグリ・ウーリエ ヴィーニュ・ド・ヴリニィ・ブリュット
このシャンパンは、ピノ・ムニエ100%で造られ、ヴリニィ村のプルミエ・クリュ級の畑から収穫された葡萄を使用しています。
エグリ・ウーリエは、特にピノ・ノワールの品質に定評があり、「ピノ・ノワールの貴公子」とも称されています。
「ヴィーニュ・ド・ヴリニィ・ブリュット」は、樹齢50年の古木のムニエから造られ、ランスから約8km離れたヴリニィ村のテロワールを反映したシャンパンです。
果実の凝縮感とボディの厚みが特徴で、柑橘類やドライフラワーのアロマに、リコリスやイーストのニュアンスが感じられます。
口に含むと、スモモのような新鮮な果実味と花の香りに満たされ、豊富なボリューム感の中に端正なミネラル、繊細な酸が優雅なバランスを保っています。
エグリ・ウーリエは、除虫剤を一切使用せず、有機肥料を用いるリュット・レゾネ(減農薬法)を採用し、低収量で高品質な葡萄を栽培しています。
また、ブルゴーニュの「樽の魔術師」と称されるドミニク・ローラン氏から学んだ樽使いにより、シャンパーニュに複雑さと厚みを与えています。
ドザージュ(補糖)は極めて少なく、ブドウ本来の味わいとテロワールの個性が反映されたシャンパーニュとなっています。
このシャンパンは、大振りの白ワイングラスで、前菜からメインまで合わせてゆっくりと楽しむことができます。
エグリ・ウーリエのシャンパンは、フランスで最も権威あるワイン評価本「レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス」で長年、3ツ星を獲得し続けるなど、世界中のワイン愛好家から高く評価されている逸品です。
2. アンリ・ジロー フュ・ド・シェーヌ
「フュ・ド・シェーヌ」は、その名の通り「樽の中のシャンパーニュ」という意味を持ち、12ヶ月間の樽熟成を経て、さらに数年間の瓶内熟成を行います。
この長期熟成により、複雑でリッチな味わいと、しっかりとしたボディが特徴です。グラスに注ぐと、イエローゴールドの美しい外観と、煮詰めたイチジクやトロピカルフルーツの砂糖漬け、洋梨のリキュールのような凝縮された香りが感じられます。
また、フレッシュミントや香ばしいトーストのアロマも楽しめます。
口当たりはクリーミーで、ミネラル由来のほのかな塩味を伴ったふくらみのある味わいが、樽の風味と見事に調和しています。
余韻には蜂蜜やジンジャーのニュアンスも感じられる、個性溢れるシャンパーニュとなっています。
アンリ・ジローは1625年から続く歴史を持ち、特にアイ村産のピノ・ノワールにこだわりを持つメゾンです。
彼らのシャンパーニュは、芳醇でエレガントな味わいが特徴で、ヨーロッパ上流階級で愛飲されてきた「幻のシャンパーニュ」とも称されています。
3. ギガル コンドリュー ラ・ドリアンヌ
このワインは、ヴィオニエ種100%で造られており、特にそのアロマティックな香りとリッチな味わいで知られています。
外観は輝きのあるゴールデンイエローで、アプリコットやライム、グレープフルーツなどの果実のアロマに、白い花やトーストなどの香りが溢れ出します。
口に含むと、フレッシュさを保ちつつ、リッチでまろやかな味わいが感じられます。豊満なボリューム感を備えたスタイルに華やかなニュアンスが重なり、厚みのあるたっぷりとした奥行きを形成しています。
醸造においては、新樽率100%のオーク小樽のみを使用し、約8ヶ月間かけてアルコール発酵とマロラクティック発酵を行い、その後12ヶ月間の熟成を経てリリースされます。
この長期熟成により、優美で複雑な香りと、厚みのある味わいが生まれます。また、このワインは長期熟成のポテンシャルを誇り、飲み頃は2030年までとされています。
ギガルは、コート・ロティ、コンドリュー、エルミタージュなど北部ローヌを代表する多数のアペラシオンを所有し、ローヌワインを代表する生産者として高い評価を受けています。
特に「ラ・ムーリンヌ」「ラ・ランドンヌ」「ラ・テュルク」という3つの自社畑は、「ギガルの3つ子の兄弟」と称され、ワイン・アドヴォケイトにて100点を連発し、ギガルの名声を確固たるものへと押し上げています。
「コンドリュー ラ・ドリアンヌ」は、その華やかで魅惑的な香りと、厚みのあるたっぷりとした味わいで、ギガルを代表するキュヴェの1つとして世界中のワインラヴァ―を魅了しています。
4. エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー カビネット
このワインは、特にそのバランスの取れた甘さと酸味、そして豊かなミネラル感で知られています。
シャルツホーフベルガー・カビネットは、エゴン・ミュラーが所有する特別単一畑であるシャルツホーフベルクと近隣の自社畑ブラウネ・クップで収穫されたブドウのみを使用して造られます。
遅摘み手前の完熟したブドウから造られるため、甘く上品なアロマと力強い酸が絶妙なハーモニーを奏でます。
外観は輝きあるレモンイエローで、青リンゴのコンポートや熟した洋梨などの果実のアロマが漂います。さらにライラックやジャスミンの香りも重なり華やかな印象を与えます。
口に含むと、熟した果実味とふくよかな甘みが広がり、しっかりとした酸によって引き締められたボディと、1本筋の通った骨格が特徴です。豊かなミネラル感の風味と共に、心地の良い余韻が長く残ります。
エゴン・ミュラーは、11世紀にベネディクト派の修道院によって開墾されたシャルツホーフベルクの畑を所有しており、フランス革命後にコッホ家がこの土地を譲り受けたことから、エゴン・ミュラー・ワインの歴史が始まりました。
現当主であるエゴン・ミュラー4世は、伝統的な栽培方法を重視し、樹齢の長いブドウ樹を大切に育てていて、化学肥料や除草剤、殺虫剤を使わず、有機栽培で畑を耕すなど、自然の力を最大限に生かす丁寧なワイン造りを行っています。
このワインは、若いうちからもちろんお楽しみいただけますが、長期熟成も期待できる逸品です。
エゴン・ミュラーのシャルツホーフベルガー・カビネットは、ドイツワインの頂点に君臨すると評されるほどの品質を誇り、世界中のワイン愛好家から賞賛されています。
5. シャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ
この畑は「恋人たち」というロマンチックな名前を持ち、特級畑ミュジニーの真下に広がっています。土壌は石灰質の厚い層と、その上に重なる深さおよそ30~50cmの赤粘土質が特徴で、非常にエレガントで優美な味わいのワインが生産されます。
レ・ザムルーズで生産されるワインは、ピノ・ノワール100%で造られ、色調は深みのあるルビーレッドで、ラズベリーやレッドチェリーの果実のアロマに、バラやスミレのフローラルなニュアンス、シナモンやハーブなどの多様な香りも感じられます。
味わいは赤系果実の豊かでまろやかな風味と凛とした酸が魅力で、滑らかなタンニンがしなやかな口当たりをもたらし、長く優雅な余韻へと続いていきます。
ブルゴーニュの2021年のヴィンテージについては、ブドウの収量が減少したものの、ワインはエレガントな仕上がりになったことが特徴です。
4月に夜間の気温が大幅に下がり、ブルゴーニュ全域で深刻な霜害が発生しました。また、生育期間である春から夏にかけて湿度が高まり、病害に悩まされる生産者もいました。
ただし、生き残ったブドウには2020年と比べてジュースがしっかりと蓄えられており、酸味も高い傾向だったことから、ワインは果実味と酸味のバランスに優れた出来栄えとなりました。
レ・ザムルーズは、その品質と人気の高さからグラン・クリュ以上の価格で取引されることも多く、「ミュジニーの妹」とも呼ばれることがあります。
名前のロマンチックさがワインに反映してか、最良のミュジニーなどのグランクリュに比べると渋みや凝縮感は控えめですが、それが可愛さと鮮やかさを映していて、さらにワインを魅力的にさせています。
このワインは、特に大切な日や特別な食事に合わせて楽しむのに適しており、ブルゴーニュワインを代表する逸品の一つとして世界中のワイン愛好家から高い評価を受けています。
最後に
これらのワインは、それぞれにユニークな特徴と歴史を持っており、「神の雫」を通じて多くの人々に知られるようになりました。
ワインに興味がある方は、ぜひこれらのワインを試してみてはいかがでしょうか。
コメント